山ア豊子(やまさき・とよこ)さんの小説「沈まぬ太陽」が映画化され公開されました。
あの壮大な長編小説がどのように映画化されたのかというのが、私の一番の関心事でした。そのこともふくめ、映画を観ましたので、感想めいたことをここに書くこととします。
小説をコンパクトにまとめた脚本になっていました。その意味での小説との違いはあります。しかし、作者が作品にこめた思いを十分に表した映画になっていたというのか、私の感想になりました。したがって、見事な映画であると言わなくてはなりません。
つくった映画監督の作品としてはこれが初めてでした。シナリオライターも名前を今回で覚えましたから、わかっていた人ではありません。しかし、一流の才能あふれる人たちのレベルとはたいしたものと、俳優たちを含め感じ入りました。
山アさんが、若い人たちにも観てほしいと言葉をよせていますが、そのとおりだと思いました。国民的映画といっても言い過ぎではない、というのが私の気持です。今。「沈まぬ太陽」の小説や映画からくみとるべきことが本当にある、そのためにももっともっと広く知られてほしいと思ったからです。それが何なのかは、映画を観ていない方、小説を読んでいない方のために、言及(私見ですが)しません。
余談ですが、主人公恩地元(おんち・はじめ)が、手土産持参で訪問先に顔をだします。私は映画の中で使われているその紙袋に見覚えがありました。いまも変わらぬ某有名菓子店のものでした。当時に忠実なつくりをしていますから、実際に使われたのもそうだったのでしょう。小説には、その菓子店の名称まではなかったように思うのですが、確かめてはいません。それほど細部にまでこだわっての映画ということをいいたかったからです。それと、知人が手土産でその袋を下げて現れたことで、映画の印象が呼び覚まされた体験が少し前のあったからです。
映画はアフリカの大地で、恩地がアフリカ象を打ち倒すことからはじまり、最後はアフリカの動物に銃ではなくカメラをむけるシーンで終わります。これもシナリオの見事さを心憎いまでに示しているひとつです。
以上 (UT) 091126
posted by kamuimintara at 14:08| ☀|
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