2008年04月29日

「イラク派兵九条違憲判決の効力」伊藤真氏の意見

週刊ウェブマガジン「マガジン9条」4月23日号の「伊藤真のけんぽう手習い塾(第64回)」で、伊藤真法学館憲法研究所長が、4月17日の名古屋高裁イラク自衛隊派兵違憲判決について言及しています。題して「イラク派兵9条違憲判決の効力」です。目配りのきいたある意味で詳細な発言で、幅広い論点に関して伊藤氏の所見が述べられています。多くの人に読んでもらい、その意見に対して、読んだ人それぞれが考えてほしいという気持にあふれた発言です。

その一部を紹介します。

「さて、その政治家ですが、与党の政治家からは、あの判決は、高裁だし、傍論にすぎないから、拘束力はなく従う必要はないという声が強いようです。福田首相も『それは判断ですか。傍論。脇の論ね。』空自の活動についても『問題ないんだと思いますよ。』と述べている。これはいくつかの点で誤解があるように思われます。

まず判決の拘束力の問題は、当該判決が、類似する別の事件に関して後の裁判所をどこまで拘束するのかという議論です。判決が立法権や行政権に対してどのような影響を持つのかという問題とは関係ありません。こちらは判決の権威性の問題であり、判決の拘束力の問題とは別ものです。これを混同している人が多いようです。

そして傍論にすぎないから拘束力がないという議論は、この拘束力の問題であり、後の裁判所が今回の判決に従う必要があるかどうかが問題になるときに必要な議論であり、ここで問題にしているような国会、内閣のとるべき対応とは直接、関係ありません。」

「以上から、今回の違憲判断は傍論でも蛇足でもなく、必要な判断として適切に行われたものといえます。

こうした裁判所の判断を行政府や立法府が無視することがあってはなりません。たとえ下級裁判所の判断であっても、丁寧に事実認定をした上での司法権の判断ですから、それに対して敬意を払い、慎重に当該問題の合憲性について再検討することが、三権分立からの要請であり、憲法を尊重する立憲民主主義国家の政治家の態度だというべきでしょう。

今回の判決に対する与党政治家の反応は、無知と無教養に起因するだけでなく、憲法を尊重する態度の欠如と思い上がりがその原因であるように思われます。そしてそれを許してしまう野党政治家とマスコミ、そして私たち国民にも問題がありそうです。」

以上 (室長)080429











posted by kamuimintara at 17:13| 北海道 ?J| Comment(0) | TrackBack(0) | ニュース
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