故箕輪登さんが、自衛隊のイラク派遣差止訴訟を最初に札幌地裁で起こしてから、それに続いて全国で市民による同種の訴訟が提起され、現在まで各地で裁判が続けられています。札幌の訴訟は、箕輪さんに加え、第2次原告も加わって続けられることとなりました。地裁審理段階で箕輪さんと他1名の原告がなくなられましたが、残りの原告が引き続き札幌高裁に控訴して裁判は続いています。
4月17日、名古屋での裁判(控訴審)で、画期的な判決が名古屋高裁(青山邦夫裁判長)で出されました。結論は原告側の敗訴とした名古屋地裁の判決を踏襲し、原告側控訴を棄却しているものの、判決の中で、重要な判断が出されました。イラクでの航空自衛隊の活動は「武力行使を禁じたイラク特措法に違反し、憲法九条に違反する活動を含んでいる」とし、さらに平和的生存権について「九条に違反するような国の行為、すなわち戦争の遂行などによって個人の生命、自由が侵害される場合や、戦争への加担・協力を強制される場合には、その違憲行為の差し止め請求や損害賠償請求などの方法により裁判所に救済を求める場合がある」と言及しました。その内容に、原告側は「画期的判決」で「実質的な勝訴判決」と受け止めました。原告側は上告しない方針で、今回の高裁判決は確定することになります。
憲法九条をめぐる裁判で違憲判断がでたのは、これまでは1959年の砂川事件1審で「米軍の駐留」についてと、1973年の長沼ナイキ訴訟1審での「自衛隊」についてだけでした。長沼訴訟で札幌地裁で裁判長だった福島重雄さんは、現在77歳ですが、富山県で弁護士をされておられるようで、この知らせに深い感慨を覚えたと朝日新聞4月18日朝刊は伝えています。
故箕輪登さんは、今回の判決を草葉の陰でどれほど喜んでおられることでしょうか。2006年5月17日に行われた箕輪さんの葬儀のときの箕輪家のお礼文書での故人の言葉は以下のようなものでした。
「何とかこの日本がいつまでも平和であって欲しい。平和的生存権を負った日本の年寄り1人がやがて死んでいくでしょう。やがては死んでいくが死んでもやっぱり日本の国がどうか平和で働き者の国民で幸せに暮らして欲しいとそれだけが本当に私の願いでした。」
「ウェブマガジン カムイミンタラ」の2006年5月号(ウェブ版第9号)特集は「元自民党代議士・箕輪登さんが問うたもの イラク派兵差止訴訟」です。2006年2月27日の札幌地裁での箕輪さんの口頭弁論(生前最後のまとまった見解表明でした)のことを中心にとりあげています。ぜひ改めてお読みいただければと思います。
以上 (室長) 080421
2008年04月21日
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◆イラク派遣・違憲/判決要旨や各種声明など/裁判長のこと
Excerpt: 一昨日の自衛隊イラク派兵差し止め訴訟の控訴審判決、全国に衝撃が走った。 政府は、裁判所のいったこと、と知らないふり。 「典型的な蛇足判決。裁判所による重大な越権行為。裁判官が個人的心情を述べているだ...
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