舞台は急転して、沖縄です。ぼろぼろになった主人公、元新聞記者弓成は、そこで大きく自分をとりもどすことになります。
作者は、弓成と、彼をとりまく人々(現地の人、そして家族など)とに、未来を託す気持で、小説を閉じようとしているように思われます。現実は過酷でも、それに立ち向かうすがすがしさが、余韻として残された作品です。
内容詳細は、手にとって読むことでご確認ください。
沖縄密約は30年たって証拠文書の存在が、米国から発見されました。日本人歴史研究者に手によるものです。それも描かれています。
取材対象者の多さ幅広さ、綿密な資料収集、作品の厚みを支えているものになっています。第4巻の巻末のリストは圧巻です。
以上 (UT) 090627