2009年04月14日

おすすめします 仙波敏郎「現職警官『裏金』内部告発」

現職警察官として、愛媛県警の「裏金」を告発した仙波敏郎さんが、この4月講談社より自身の体験をまとめた「現職警官『裏金』内部告発」を本として出しました。

「2009年(平成21年)3月31日、私は満60歳の定年を迎え、42年間の警察官人生にピリオドを打った。思えば、波乱に満ちた42年間であった。(中略)
警察官としての職務を全うし、誰にも恥じることなく、市民の安全を守るために第一線の現場に立ち続けてきた私に辞める理由などひとつもない。そもそも組織的な裏金づくりをやめていれば、私が告発会見をする必要はなかった。本来、辞めるべきは職権を濫用し、不正に手を染めた悪人たちであって、私ではない。
いくら幹部たちが私を辞めさせたいと思っても、正当な理由がなければ辞めさせることはできない。愛媛県警が最後まで私を辞めさせることができないのであれば、それは、私が言ってきたことが
正しく、一警察官として果たすべき責務を全うしたからだと正々堂々胸を張ることができる。そのとき初めて、私の『正義』が満天下に証明されるのだ。
だからこそ定年まで戦い続け、勤め上げることが重要だった。定年退職は、私にとって正義を貫いたことの証、勲章のようなものだと思っている。」(プロローグ −36年間の孤独な闘い)

「この本をまとめる過程で、『人間は1人で生きているわけではない』と改めて感じた。その気づきがなければ、私は怒りだけを持って退職しただろう。定年の日に感謝の気持を胸に警察を去ることができるのは、支えてくださったみなさんのおかげだ。」(エピローグ −友への誓い)

「事実は小説よりも奇なり」にふさわしい内容です。そのまま警世の書であると言っても過言ではないでしょう。そして登場する人間の暖かさ、すばらしさ、仙波さんもそれらの人々とも出会い(家族もふくめて)を経て、自らの成長するなかで筋を通してきました。そのことがじつにわかる内容にもなっています。ひとりでも多くの人に手にとって読んでいただきたい本です。

なお、警察の裏金問題の口火を切り、裏金問題に手を染めることを拒否していた仙波さんの実名告発の遠因ともなったのが、北海道警察の裏金実名告発(退職後でしたが)とその後の解明を求める運動でした。ウェブマガジン2005年11月号特集の「草の根の声を知事と同議会に」が北海道でも警察裏金追及の動きを紹介しています。

以上 (UT) 090414




posted by kamuimintara at 17:21| ☀| Comment(1) | TrackBack(0) | おすすめします。 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
サイト運営し始めた者なんですが、相互リンクしていただきたくて、コメントさせていただきました。
http://hikaku-lin.com/link/register.html
こちらより、相互リンクしていただけると嬉しいです。
まだまだ、未熟なサイトですが、少しずつコンテンツを充実させていきたいと思ってます。
突然、失礼しました。
KYE4WOzn
Posted by hikaku at 2009年05月04日 16:10
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