2008年07月08日

おすすめします 読売新聞北海道支社夕張支局編著「限界自治 夕張検証」

「限界自治 夕張検証 女性記者が追った600日」(読売新聞北海道支社夕張支局編著 定価1600円税別)が出版されていました。梧桐書院から2008年3月刊行されていました。

北海道の産炭地のひとつだった夕張市が、「財政破綻」の結果、現在財政再建団体としての道を歩んでいます。

「限界自治 夕張検証」は夕張支局編著となっており、1個人の著作ではありません。しかし、2006年当時岩見沢支局にいてその後夕張支局に転勤になった、酒井麻里子記者(2008年年頭より札幌に転勤)が、取材しさまざまの人の声を伝えた内容が、中心に据えられています。酒井さんが2006年6月9日午前0時過ぎに受けた携帯電話が、彼女にとっても「現在まで600日近くにわたる『夕張報道合戦』の始まり」(序章 抜かれからはじまった 16ページ)でした。入社4年目で夕張問題が初めての大きな課題となった酒井さんの気持の高ぶりを感じさせるような出だしです。

北海道は生まれ育ち今生活している場所。夕張市が遭遇している事態は、私にとって他人事ではありません。財政困難の自治体でも格別苦境ということの中に夕張市が入っていることは前から知られていました。そして財政破綻でした。購読している地元紙での「詳細な報道」(6月9日朝刊よりはじまったようですが)を、気になる見出しを目にするたびに、追いつづけてきたひとりでもありました。メリハリも利き、気持もこめられた報道に接したことは、私にとっても多くの示唆を受けることになりました。行間にしめされる気持には共感の思いをしばしば持ちました。

そのような地元紙の報道をずっと読んできたせいか、そのボリュームに満足して、いろいろな形での他の報道や著作や発言について目配りをすることがあまりありませんでした。なんだろうこれはと書店の平積みを手にしたのが本書との私にとっての出会いでした。

辛い思いもしながらこのドキュメントを時間をかけての読了。しかし読んだ甲斐のある本との出合いでした。あくまで私の印象でしかありませんが、夕張支局や酒井さんの「熱」にふれられたことは得がたい機会でした。

さまざまの階層や立場の人々からの声が、手際よく偏らずにちりばめられています。いろいろな人がいる、いろいろな意見がある、とてもくくりきれない内容が提示されています。地元に居住し、市民の泣き笑い、希望願望失望、をすくいあげてきたものがはちきれそうに入っています。

私は夕張市が財政再建団体の道をたどるなか、市職員の大量退職の報道には、わりきれないものを感じていました。本書を読むことで、それなりの理由もあったのだということを知らされました。わりきれなさはすべてなくなったと言いませんが、軽減されたことは確かです。市役所ばかりでなくあまりにお粗末で残念なこともたくさん知らされることにもなりましたが。

重箱の隅をつつかない暖かなエール、その暖かさをしっかりと読者も受け止めなければならないようです。

「夕張の再建のためにもまず、破綻した原因を明らかにしなければならないと思う。原因をはっきりさせない限り、同じ過ちを繰り返すのではないか。
もちろん、私たちも夕張の人たちを元気づける記事を書いていこう。と同時に、前提として過去も明らかにしていく努力を続けよう。」
(第1章 ついに財政再建団体へ 74ページ)

「私は自分に問うた。財政再建団体入りで生じた、さまざまな不条理を伝えきることができただろうか。夕張を去らざるを得なくなった人を、負担とともに生きる夕張市民の姿をーーー。
夕張を取材したノートには、この街で生きるたくさんの人々の姿が記されている。時がたち、夕張に本当の「春」が訪れるまで、私は夕張を見守り続けたい。」(終章 夕張に「春」が訪れるまで 307ページ)

以上 (UT) 080708











posted by kamuimintara at 15:50| ☔| Comment(1) | TrackBack(0) | おすすめします。 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
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Posted by ホテルマン at 2008年07月09日 08:09
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