性犯罪被害者として、2007年にあるシンポジウムで本人が氏名を明らかにして7年前のことを発言、そのことが出版にもつながったようです。私見ですがおそらく実名では日本でははじめて公に出版された手記ではないでしょうか。たまたま書店で手に取ったのがこの本、それまで何も知らなかった私には偶然かつ幸運な出会いとなりました。
私自身、個人的なことから現在札幌地裁で行われている女性自衛官の人権裁判に関心を持っています。そのことが、本を手にしたきっかけとなったことは間違いありません。それにしても重い体験とそれと向き合って生きていくことの、厳しさ難しさ、改めて思い知ることとなりました。事件には何ひとつ同じものはありませんが、どれも重いことなのです。
著者が、理解し乗り越えてきて、今まっすぐに向かい合っていること、それが率直な語り口のなかに示されていました。まだ過程であり途中のことかもしれませんが、その一歩の踏み出しの意味は大きなものがあると受け止めました。小林美佳さん、ありがとう、あなたの一歩が私にも新しい勇気を与えてくれました。そして投げかけられた課題を念頭にわすれずに置くことも。
ひとことで伝えられる内容ではありません。男女をとわず多くの人に読んでほしいものと思いました。部下を持つものも持たないものもとくに男性自衛官にはお勧めの本ではないかとふっと感じたのは、もしかしたら私の思い込みからくる間違った発想でしょうか。
小林さんは、冒頭の「このページを開いてくださった『あなた』へ」のなかで、以下のように述べています。私がその場ですぐ購入することとし、その日のうちに読みきった動機となったところです。
「あってはならないことだけど、もしも近くにいる人が犯罪に巻き込まれたときーー。『どうしよう』とうろたえたり、被害者の感情が『解らない』と投げ出したり、『元気出して』と表面的な励ましの言葉をかけたりするのではなく、”こんなことを言っていた被害者がいたなぁ”と、思い出してもらえたら。この手記が、ひとつの理解に繋がっていけたら嬉しいと思う。
『理解』
これが、私が願うたったひとつの、とても強力な被害者への支援である。
大切なのは、制度でも警察でも支援団体でもお金でも復讐でもない。近くにいる人の支えや理解なのだ。しかし、身近な人が犯罪や被害にあったとき、それを実行に移すのは容易ではないはずだ。相手を思えばこその気持が募れば募るほど、被害者本人の感情とすれ違ってしまうはずだから。『そんなわけないじゃない』『私には関係ない』と思わず、頭の片隅に留めておいてほしい。
私が最も遺憾に思うことは、『被害者って、こんなに苦しいんです!』と訴えること。この記録が、そうとらえられないことを願いながら、書き始めた。
同情を買いたくないことだけは、先に伝えておきたい。」
以上 (UT) 080627
私は「制度・警察・支援団体・お金」全部必要だと思います。
周囲の理解者、必要です。一番理解してほしい家族や恋人が、無神経だったり、そのせいで別れてりまったり、そういう思いしている人もいるだろうし、逆に周囲に理解者がいたから、生きていられるという人もいるだろうし、作者のいうことわかります。
でも、制度や法律、警察の対応、裁判、それらが十分なもので、支援団体もあって、治療費・カウンセリング費用も無料、それだけ揃っていたら、大分被害者は(性暴力だけに限らず)助かるはずです。それら全て「国から、世間からの理解」ということになりますし。
「被害の苦しみにくわえ、国からも周囲からも見離され」というのが、何重にも苦しみを生みます。
逆に、周囲に理解者がいても、それが弱い立場の個人でしかなければ、何も解決しません。
お墓まで被害をもっていくことになってしまいます。
それから、加害者を生み出さない教育、というのも何より必要だと思います。
いつもその事件があった道の近くを通ると思い出すそうです。
そういう面でまだ日本はセキュリティー的にも法律的にも女性は弱い立ち場にあります。
小林さんの頑張りが未来の性犯罪撲滅に繋がります。
頑張って下さい。
男性である僕には、なんの力にもなれないかもしれませんが、小林さんの応援しています。
頑張ってくださいね。
私にも甘い所はあったと思います。でも、何故、私だけって思いはあります。
警察・検事・裁判官は、私の訴えは聞いてくれませんでした。母子家庭で三人の子供がいる私は、留置所から早く出たい・子供に会いたいという気持ちしかありませんでした。その為、警察の言うがままになり判決を受けています。
相手には、慰謝料も払いました。被害を受けて、お金を払って罰も受けて…本当に悔しいです。このまま泣き寝入りして良いのか?私が悪いのか?何が良いのか?わかりません。ただただ悔しさと怒りは、一生残ります。
これ程人の命が軽薄かした時代は有りません。此れを黙ってほって置けば、泣き寝入りすれば、憎しみの怨念と、悪の憎恩が膨張し、地球上を積み込んで、太陽の光が一切届かない、暗雲立ち込める。まるで地獄の様な世界に一変します。如何なる理由を持ってしても、人の心も体も傷付ける事は許されないのです。戦ってください。自分自身の未来の幸福を願って、此れ以上被害者が増えないこと願って、
もし私が小林美桂さんの近くにいたら彼女と同じように小林美桂さんのことを守ってあげたと思っています。
だからこそ気づいて欲しい.誰が被害者になってもおかしくないことに!!