呼びかけ人の大江健三郎さんをはじめ多くの方のスピーチがありました。各種報道、動画などで紹介されています。
そのなかで福島のハイロアクションの武藤類子さんのスピーチもあります。その内容が心をうつもので注目されています。私も読みましたが、そのなかの一文に「3.11・原発事故を境に、その風景に、目には見えない放射能が降りそそぎ、私たちはヒバクシャになりました」とありました。
ヒロシマ、ナガサキに続きフクシマでも「ヒバクシャ(被爆者)」がでてしまいました。当の福島の人が、それを語っているのです。ハイロアクションは2010年10月に結成された、建設40年となる東電福島原子力発電所第1号炉を廃炉にさせようと、声をあげた地元の人による団体です。そのホームページに武藤さんのスピーチ「ふくしまの想いを、ひとりでも多くの方に、伝えたい」の全文がのっています。ぜひお読みいただくべき内容と受け止めました。こんなにひどい仕打ちを受けながら、武藤さんは「私たちひとりひとりの、背負っていかなくてはならない荷物が途方もなく重く、道のりがどんなに過酷であっても、目をそらさずに支えあい、軽やかにほがらかに生き延びていきましょう」としめくくっています。
カムイミンタラ第94号(1999年9月号)に北海道被爆者協会会長の越智晴子さんが「友はよきもの」と題した随想を寄せています。神戸大空襲と広島での原爆被爆の体験をお持ちの越智さん、生き抜いてきた道のりをふりかえり、支えてくれる人のありがたさすばらしさを、静かに語っています。
2011年9月29日 室長