いろいろ名をはせてきましたが、今年後半行った米国の外交・軍事の機密文書公開は決定版といわれる内容かもしれません。政府組織の内部告発で外部に流出したといわれる文書を入手し公開しました。その内容が衝撃的です。日本のマスコミが紹介してるものでさえ、驚くようなことがわかりました。流出元の米政府が「ニセ文書」「ウソの内容」と言って否定をしていないこと、クリントン国務長官が弁解と釈明を10数カ国に行ったということが、その深刻さをよくあらわしています。
ジャーリズムには「事実の報道」と「調査して報道」とが、あるそうです。事実を伝えることも大事なら、よく調べて内容を伝えることも大事なのです。今回のことは大スクープであり、掘り下げられるべき内容のオンパレードです。
ウィキーリクスと公開報道で手を組んだのが米ニューヨーク・タイムス紙、英ガーディアン紙、独シュピーゲル誌だそうです。いずれおとらぬ影響力のあるところが足並みをそろえたことで、その衝撃はきわめて大きなものになったようです。
もう少し状況が理解できるようにならなければ、意義や評価を軽々しく下すことにはなりません。しかし、ひとつわかることがあります。日本のマスコミ、ウィキリークスと今回の文書公開、目にすぐつくような報道はしていません。連続的でもなく逆にきわめて断片的でしかないように見受けられます。
たとえ小さなことでもささやかなことでも、報じることは意味を持つ、あるいは意義を改めて確認できる、ということは、当誌カムイミンタラでも理解してきました。身の丈にあった伝え方もあるのです。
しかし今後の国際社会に大きな影響を及ぼすかもしれない事の報道は、やはりマスコミがきちんと報じなければ広く伝わりませんし、時間がかかることになります。いまだに私にはよくつかめるまでになっていません。その点では日本のマスコミ、いささか問題意識がかたよっているのではないでしょうか。今後の報道に期待します。断片をつづりあわせて少しわかってきた者の期待なのですが。
以上 (室長) 101220