2006年07月01日

おすすめします 有川浩「図書館戦争」

「図書館戦争」(有川浩作 メディアワークス 2006年3月刊 税込価格1680円)、題だけでは、中味はまったくわからないという意外性もありました。「メディア良化法」なる法律が制定され、政府の手になる武装組織メディア良化委員会が、本の検閲と没収を行うという近未来の日本が舞台の小説です。

このメディア良化法なるもの、「公序良俗を乱し人権を侵害する表現を取り締まる」という趣旨の法律だそうで、このもっともらしさ、昨今のあれやこれやにも通じるものがあるのかもしれません。これに対して、図書館が「武装組織の防衛隊」を結成、図書館の自由、言論出版の自由のために対抗するという設定となっています。その防衛隊の新人女性隊員笠原郁の悪戦苦闘が、ユーモアたっぷりに描かれています。

冒頭が、郁の就職先の図書館の様子を親に知らせようという手紙の書き出し。なんとその中に戦闘訓練も行っていますとのくだりを書きかけて、筆が止まるところから物語ははじまります。しめくくりが、改めて送ろうとする書き直した手紙の内容です。その間に起こり体験したさまざまな出来事と、直面した郁のけっこうミーハーな(死語でしょうか)な言動が、とにかく面白いお話です。ぞっとする内容をこうまで笑わせる著者、1972年生まれだそうですが、たいへんな力量とお見受けしました。

続編はあるのかないのか、気にさせられてしまった本でした。私は続編を期待します。

(UT)
posted by kamuimintara at 08:33| 北海道 ????| Comment(1) | TrackBack(1) | おすすめします。 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする